みなさま、こんにちは! 蒸し暑い季節にさしかかり、それをものともしない猫たちが膝にのってくるダブルパンチでうれしい(?)悲鳴をあげている、紫洲書院の竹本です。湿気が多い時期には、特に紙の保存に気を遣わなければいけないんですよね。紫洲書院では、撥水紙による鉄壁の防御で迫り来る邪悪な湿気に備えております。
最強になった『プロデューサーシップのすすめ』
これまでに、おそらく誰も出したがらない『ファシズムの原理』や、パッと見ではもはやSFの建築論『地球第三の森』など、謎の書籍を刊行してきた紫洲書院。このたび、新たな書籍のリリースにこぎつけました! その名も、『プロデューサーシップのすすめ』!
「・・・またかよ!」と思ったみなさま、ご明察です。今回リリースする書籍はその「新版」なのです! しかし、なぜわざわざ出した書籍を改訂するのでしょうか?
2021年に発売した旧版『プロデューサーシップのすすめ』は、よく言えば「渋い」カバーデザイン(筆者がデザインしました)により、残念な売れゆきが続いていました。また内容そのものは良いものの、初期の編集ポリシーにより専門的なテイストでまとめてしまったのも、セールスという点ではイマイチな結果に。これらの要因が重なったことで、売り込むにもなかなか難しく、カバーが地味&パッと見が難しそう、という理由により書店に置いてすらもらえない事態に…。著者・関係者のみなさまの熱量も高かっただけに、なんとか売れるようにしなければなりません。
そこで今回の改訂では主に:
1. より一般的なビジネス書に改造する
2. カバーデザインを一新する
3. 縦書きにする(旧版は横書きだった)
4. 新たに Kindle 版を制作する
という大改造プランを立て、これを実行に移しました。そして、真っ先に完成したソフトカバーがこちら!
う〜ん、プロっぽい! カバーデザインが素晴らしいとワクワクしてきますね。実はこれ、素人がデザインに触れると大変なことになる、という前回の反省を生かして、プロのデザイナーの森一機さんにお願いして作っていただいたものです。デザイナーという職業の存在意義がよく分かるお仕事ですね。
さらに縦書きに直す際に、これまたツバメ編集室さん(@Mare_of_books)という書籍編集者の手によってスタイリッシュな DTP(組版)が出来上がりました!
追い打ちをかけるように、本書のイントロ部分は完全に書き下ろし! 電気通信大学客員教授の久野美和子先生と、東北大学名誉教授の原山優子先生による、明解で読みやすいイントロダクションが加わりました。
さらにダメ押しの一撃で、新録原稿を2件も追加! JETRO ナイロビ(ケニア)局長(当時)の西川壮太郎氏と、東京和僑会元事務局長の永野剛氏にインタビューし、編集者・中野慧さん(@yutorination)と協力しながら新たな記事を書き上げました。そしてもちろん、それ以外の全ての章も細部にわたって丁寧にビジネスパーソン向けのテイストに調整しました。
これで、日本一ポップな書店に置いたとしても違和感なく売り出せるでしょう。このようにさまざまなプロの手を借りつつ、専門誌・学会誌のテイストから完全に方向転換し、一般向けの書籍に仕上がったのです。
「先頭に立たない」リーダーシップ
さて、この制作についてなら何時間でも話していられますが、最後に少しだけ内容の宣伝を入れておきましょう。
この書籍、ビジネス書であることは間違いないのですが、その内容は一風変わったテイストです。メインテーマは「先頭に立たない」リーダーシップ、その名も「プロデューサーシップ」です。
リーダーシップやイノベーションというと、強いリーダーがチームをまとめて多少強引にでも引っ張っていく、というスティーブ・ジョブズのようなイメージがありますよね。気の小さい筆者は、大学在学中、グループワークで「リーダーシップとってね!」と丸投げされて何度も困りました。グローバルな大学だったため、出身も思考もバラバラのメンバーが好き勝手にやった結果、グループワークが空中分解する……なんて危機もしばしば。そんな時には個人的にアニメ談義で口説き落としたり、メンバーが行っていた信号機の売買という謎の副業を手伝ってあげたりして、なんとか動いてもらいました。その上でなんとかタスクを割り振ったり成果物をつぎはぎしたりしながら、どうにか乗り切っていたのです。
さて時は流れ令和5年、あの時に私が行っていたことは「プロデューサーシップ」の発揮に他ならない!ということに気がつきました。もちろん、プロデュースを生業としている人たちに比べればスケールはだいぶ異なりますが、本質は同じと言えるでしょう。
プロデューサーシップとは、一言でいえばチームを支える「縁の下の力持ち」の心構えやテクニックのこと。「リーダーシップで人を動かせ!」と言われてしっくりこなくても、さまざまな絡め手を駆使してなんとかチームを維持することは想像できます。そんな横からすり抜けるようなやり方は、実はビジネスの世界にも通用するのだ、というのが、本書のメインテーマの一つです。
ジョブズのような強いリーダーではなく、あるいは注目を浴びるクリエイターでもない。しかし実は裏方として、時には彼ら以上に影響を及ぼしている。本書では、そのようなやり方を用いることで、宇宙開発からアイドルプロデュースに至るさまざまな舞台で活躍する「プロデューサー」たちの実例を紹介しています。プロデューサーシップは必ずしも華やかではないかもしれませんが、「和をもって貴しとなす」という意味では、極めて日本的なやり方でイノベーションを起こす糸口になるかもしれません。
そのような訳で、Amazon や Kindle のカテゴリーでは「企業革新」や「リーダーシップ」などに分類されていますが、それに収めて話すにはむずかしい、ちょっと変わった内容の書籍です。私自身もいまだに勉強中ですが、この技術をビジネスパーソンが身につければ、大きな力となるかもしれません。ひそかに「ちょっと普通じゃないビジネスパーソン」を目指すみなさま、ぜひご一読ください!
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