日本最大の図書館に潜入してきました
みなさん、こんにちは!紫洲書院の竹本です。 祇園祭も終わって畿内の暑さもピークを迎えており、うちの4匹の猫たちも溶けています。昨年はエアコンの送風口が人気(あるいは猫気)でしたが、今年はなぜか「エアコンがかかっていない部屋の一番涼しい場所を探すゲーム」が流行しているようです。せめてもと思い、猫部屋の扇風機をつけっぱなしにしているこの頃です。 溶けるネコ。クーラーをつけると部屋を出ていく。 今回も、国立国会図書館に納本しました さて、最近リリースとなった『新版 プロデューサーシップのすすめ』の献本が落ち着いたこともあり、本書を国立国会図書館に献本しました。書類を作成し、計2冊を郵送します。実は、本をリリースするたびにいつもこの作業を行っています。 ここでいつも、謎に完全勝利した気分になります。なにに勝利したかは私にも分かりませんが、いわゆる「巨人の肩」の上に砂つぶをおいたような気分になるのですね。 そもそも国立国会図書館とは、「専門的知見に基づく調査や豊富な情報資源の提供によって国会の活動をサポートする」ことを目的とした、唯一の国立図書館です(国立国会図書館, 2021)。国立国会図書館の調査によると、国内を拠点とする出版社から刊行される書籍の 98.9% が納められているとのこと(国立国会図書館, 2014)。そんな名実ともに日本最大の図書館ですが、東京の本館と京都の関西館の2箇所しかないため、利用したことがないという方も多いのではないでしょうか。 ということで、今回はこの謎めいた図書館の実態を目にすべく、異常な暑さのなか国立国会図書館に潜入してきました! いざ、国立国会図書館「関西館」へ! さて、弊社は滋賀県に拠点をおいているということもあり、今回足を運んだのはお隣・京都の「国立国会図書館 関西館」。京都府内ではありつつも相楽郡精華町というなかなか耳にしない住所にあります。ここは京都市内からアクセスはかなり悪く、その一方で実は奈良市内から車で10分程度のロケーションです。 京都よりも大阪、大阪よりも奈良からの方が近い、辺境の地にある国立国会図書館。 ひらけた雰囲気のなか、モダンなコンクリート製の豆腐のような建物が姿をあらわしました。 中庭には照葉樹林があり、屋根と木々のキャノピー(樹冠)が同じ高さになるように設計されているようです。モダニズム豆腐建築だと思いきや、なかなかやりますね……。 入館まもなく、受付で図書カードの作成へ。身分証明書を提示すると有効期限3年間の青色カード、身分証明書がなくても一日限定利用可能の赤色カードが作成できます(国立国会図書館)。今回は青色カードを選びました。 (Wikimedia Commons より引用) ロッカーに荷物を預けて、閲覧室に入ります。その様子を写真でお伝えしたいところですが、残念ながら館内は撮影禁止でした。 館内の様子で気になったのは、閲覧できる書籍のソフトカバーがないこと。カバーが外されていて、書誌情報のバーコードがペタッと貼ってあるという、実に殺風景な書棚が並んでいます。 (Seika Town Sightseeing Information「国立国会図書館関西館」より引用) 書店で見るカラフルな書籍たちも、カバーの下はほとんどが白黒や単色での印刷で、デザインもだいぶ単調です。だいぶ寂しい見た目でした。見えないところまでちゃんと作っておくことの大切さを実感しました。 検索システムは完全にデジタル化されていて、閲覧室の端末から本の検索から書架からの取り寄せ、他館からの取り寄せなどの手続きがすべてできてしまいます。その際には、図書カードと一緒に発行されたパスワードが必ず必要です。 (国立国会図書館「資料を利用する(書庫内の図書や雑誌・取寄せ)」より引用) 私はパスワードが書かれた紙を持ち込むのを忘れたため、長い廊下を2往復もする羽目になりました。みなさま、お気をつけください。 書架からの取り寄せはスムーズで、所要時間30分ほどと書いてあったにもかかわらず、10分後にはカウンターで受け取ることができました。混み具合にもよるのかもしれません。弊社刊行の『グローカルビジネスのすすめ』も納められており、無事に書架から取り寄せて読むことができました。新刊の『新版プロデューサーシップのすすめ』も、近日中に利用可能になると思われます。 買わずに読める『新版プロデューサーシップのすすめ』 先日、ブログサイト「にどね研究所」の記事(「『新版プロデューサーシップのすすめ』、実はAmazonアンリミ登録者なら無料で読めます!その理由を簡単に解説」)で編集者の中野さんにて書いていただいた通り、本書はリリース当初からKindle Unlimited に登録されていました。それは、日本にプロデューサーシップという概念を普及させるという非営利目的のためです。 このポリシーの延長として、このほど国立国会図書館に納本したことにより、紙版も買わずに読むことができるようになりました。出版社として買っていただきたいのは山々ですが、日本のイノベーション環境のために勉強させていただいております。 『新版プロデューサーシップのすすめ』は、トップダウンではない、すこしユニークな視点からのイノベーション論として、広くビジネスパーソンに向けてまとめられた書籍です。紙版・電子版ともにこだわって作り込んだこともあり、数あるほかのビジネス系書籍にも引けを取らない内容・クオリティのものだと自負しています。本書を「日本式イノベーション術」の教科書として、これからもじわじわと広めていきたいなと思っております。 紙版 431ページ、Kindle 版 500ページというボリュームですが、お忙しい方々向けに、太字だけ追うことで大体の内容を把握できるように編集してあります。また、「はじめに」、「序論」、「総括」に目を通すことで、さらに理解を深めていただけると思います。 みなさま、紙・電子の両方を手に取りやすくなったこの機会に、ぜひご一読ください。また、「ぜひ応援してあげよう!」という方は、Amazon などから本書をお求めいただければ大変励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。 タイトル:『新版 プロデューサーシップのすすめ』発売日:2023年6月7日仕様:四六判/418ページISBN:978-4909896100定価:・紙書籍版 1,980円(税込) ・電子版 1,250円(税込), Kindle unlimited